今日から新学期

今朝は二人分のお弁当作りから始まりました。一つは長男、もう一つは母の分です。


もうすぐ70になる母の友人が経営する美容院は、留守番がてらに予約を受けるだけ。お孫さんも大きくなり、常連のおばちゃん達が連日お茶を飲みに集まってきます。髪をカットする時でも、お弁当持ちが当たり前なんです。


海老とサツマイモの天ぷら、春キャベツとソーセージの炒め物、菜の花のごま和え、きんぴらごぼう、だし巻き卵、そら豆の塩ゆで。


豪華な中身ではないけれど、「お弁当作ったよ〜」と母に言うと、嬉しそうに持って行きました。自分で作るお弁当はフタをあけなくても中身がわかるし、楽しみも半減・・って感じですが、作ってもらうお弁当は食べる瞬間まで楽しいんでしょうね。


実は母の作るお弁当には、苦い想い出があるんです。まだ週休5日制になる前、私が中学1年のときは毎週土曜日がお弁当持ちでした。中学に入って初めてのお弁当の日。なんとなく嫌な予感はしたんですが・・・


朝、母が手渡してくれたお弁当は新聞紙に包んでありました。30年前とはいえ、そんなお弁当を持ってくる中学生なんて居なかったと思います。男の子だってカラフルな布で包んであるお弁当なのに・・・・とうとう机の上に広げることが出来ず、ロッカーの中にカバンごと押し込んで、こっそりフタをあけたんです。


そこで、またビックリ!!  


ご飯の上には海苔と梅干しがドーン! ちょっと焦げた卵焼きがドーン! 鮭がドーン!!・・・・それだけみたいな(^^;)


その日は忘れたことにして、食べずに持ち帰ったんです。初めてのお弁当だったし、一度目は「忘れた」で済みました。でも翌週も同じお弁当でして・・・。隠すようにしながら机の上に出したものの、やはり周りの視線は気になるし、恥ずかしいしで・・・その時は2〜3口しか食べなかったと思います。


ウチは共稼ぎでしたから、忙しく家事を済ませて出かける母を見ていました。母にお弁当作りのセンスがないことも、なんとなく気が付いていたし、おかずに注文を付けるなんてことは、絶対にしてはいけないことだと思っていました。


田舎育ちの母。働くことだけを教えられて育って来ました。見た目より量、食べられればいい人なんです。そんな母に不満を言うこともできず、恥ずかしいとも言えず。「これからは自分で作るから」と言って、母のお弁当から卒業しました。 


私の作ったお弁当・・・母は今日も新聞紙に包んで持って行きました。